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歴史ある貴重な景観を守る!

第1回区議会定例会が始まっています。

私は、「緑豊かな都市環境について」ということで一般質問を行いました。質問の内容と区からの答弁をお伝えします。 

 

東京都都市計画審議会で神宮外苑地区の再開発計画案が承認されました。

報道ではこの計画で歴史ある樹木1000本近くが伐採される可能性があるとのことで、当該地区近辺にお住まいの方々から、「神宮の杜の貴重な緑が失われてしまうのではないか?だとすれば本当に酷いこと」と、ご心配の声をいただきました。

 

神宮外苑は100年ほど前、国民からの寄付により完成した都市公園で、ボランティアの方々が造成工事にあたり、3000本の樹木が献木され、建物の建築、宅地造成、樹木伐採など、自然環境に影響を及ぼす行為は禁止、または制限される日本初の風致地区として指定されました。

 

昨年公表された東京都の計画案で樹木伐採に関する説明はありませんでした。新宿区では1月の新宿区都市計画審議会での議論を踏まえ、「創建時からある既存樹木の保存に努めるとともに、緑の質の向上を図り、緑豊かな都市環境の保全・強化に向け、引き続き検討すること」などの他、何点かの意見を東京都に伝えています。

 

質問1→当該地区の再開発計画案が東京都都市計画審議会で承認されたことを新宿区としてどのように受け止めていますか?

 

答弁→東京都が変更する地区計画では、神宮外苑の良好な風致の保全とスポーツ施設等の集積による活力あるまちづくりの実現や、いちょう並木を中心としたみどり豊かな風格ある都市環境の保全、豊かなみどりと調和した憩いと安らぎの空間整備などが方針に示されています。新宿区として今回の変更は、みどり豊かで、風格と活力を兼ね備えた、魅力的な都市環境の形成につながっていくと認識しています。

 

質問2→今後の計画が進む中で区としてはどのように対応されるのですか?

 

答弁→開発計画により、移植が困難な樹木は伐採されますが、新植等により従前より樹木の本数が増加するなど、みどり豊かな都市環境を保全・強化する計画となっています。今後も計画の進捗に応じて、保存や移植による可能な限りの既存樹木の保全、新植による一層の緑量の確保や質の向上、さらには壁面や屋上緑化による多様なみどりの創出などの検討を深めるよう、東京都や事業者に働きかけてまいります。

 

質問3→今後区内でいくつかの市街地再開発事業が行われる予定ですが、こうした地域の象徴となるような樹木等の保存や緑豊かな都市環境をつくっていくためにどのようなお考えかお聞かせ下さい。

 

答弁→みどりの保全や創出は、まちづくりの重要な視点です。そのため、新宿区都市マスタープランにおいて「みどりを残し、またへ拡げる」事を方針の一つに掲げています。この方針に基づき、市街地再開発事業においては、地域の象徴となるような既存樹木等わ可能な限り現状で保存することを原則とし、保存が困難な場合は、移植等の方法で保護に努めています。また、新たに創出するオープンスペースや広場等を積極的に緑化することで、みどりの量を確保するとともに、地域への開放性や視認性が高く、生物多様に富んだ質の高いみどりを整備することで、みどり豊かな都市の環境を誘導していきます。

 

私の所感としては、「みどりの保全・強化、緑量の確保と質の向上、また、壁面緑化や屋上緑化で多様なみどりをつくっていく」という区の姿勢が感じ取れました。この姿勢を今後も堅持し、東京都や事業者にきちんと区の立場を申し入れていただきたいと思います。こうしたことが地球温暖化対策の推進にもつながり、新宿区が昨年表明した「ゼロカーポンシティ」の実現にも寄与することと思います。歴史ある貴重な景観を後世に引き継ぐために、引き続き今後の動きに注視してまいります。